書籍紹介

2015年06月09日

『明日の子供たち』を読んで

昨年8月に幻冬舎より出版された有川浩さんの著書で、児童養護施設をテーマにした『明日の子供たち』。

B4S内でも話題になっていたのは知っていたのですが、なかなか時間がとれずにいました。
日本人会館の図書室にあったのを借りてきて、一気に読みました!

とにかく、嬉しかったです。

◆嬉しかったこと。(その1)

読んでいて、あまりにリアルでびっくりしました。何一つ違和感ありませんでした。

ごくごく自然な日常の中での出来事や登場人物の細やかな心理描写が、なかなか理解されにくい子どもたちの感情、支援における難しさ、職員達の苦悩をとても鮮明に表現していました。

この本のおかげで、施設のこと、子どもたちのことを理解してもらうのが、とても楽になります。
外部にいる私ですらこんなに嬉しいのですから、職員も、子どもたちも、きっと本当に喜んでいるだろうな~と思い、また嬉しくなりました。


◆嬉しかったこと。(その2)

この本のきっかけになったのは、どうも兵庫にある児童養護施設の高校生が書いた手紙だったようなのです。

文中、施設で生活する高校生カナは、次のような手紙を人気作家に送っています。
===
(前略)…先生に児童養護施設をテーマに本を書いてほしいんです。先生の書かれる本の影響力はすごいです。
先生が本を出すと、たくさんの人が先生の本を読みます。もし先生が児童養護施設をテーマに本を書いたら、
今までの施設のイメージが変わると思います。
いつも施設に対するイメージのせいで辛い思いをする子がたくさんいます。
世間の勝手なイメージのせいで、これ以上傷つくのは嫌なんです。私たちは何も悪くないのに。…

(中略)…私たちはあと1年で施設を出ますが、他にも施設の子がたくさんいます。
…私たちはもうすぐ退所してしまいますが、私たちより小さい子にこれ以上つらい思いをしてほしくないんです。…
===

施設に関する正しい情報が少ないために、施設の子どもたちは「かわいそう」等の偏見を持たれがちです。
でも、偏見を変えていくのは本当に難しいことです。

一人の高校生の行動が、こうして社会に大きな影響を与えていくって、嬉しすぎるじゃないですか!
笹谷美咲さん、ありがとうございます!


◆嬉しかったこと。(その3)

コレ、私たちのことじゃん!っていう行があります。

『明日ママがいない』を『ママがいなくなった』というタイトルのドラマにして、功罪を論じる場面。
===
「でも、東京じゃドラマが終了してからさっそく『ママがいなくなったを超えて』とか銘打ってシンポジウムをやったらしいよ。一般参加者の数が新記録を達成して大盛況だったって。」
「たくましいですね!」
===

思い起こせば、幻冬舎の方、会場にいらしてました。^^
取り上げていただき、ありがとうございます♪


◆嬉しかったこと。(その4)

参考文献に私の編著『巣立ちのための60のヒント』(明石書店)も掲載いただいて、ありがとうございます♪


◆嬉しかったこと。(その5)

私たちブリッジフォースマイルが行っている活動の意義を、ちゃんと言葉にしてもらったようで、とっても嬉しい!

まず、施設の子どもたちの進学の問題が、ど真ん中に据えられています。
子どもたちにとって、職員にとって、進学がどれだけ難しい選択か、奨学金がどれだけ重要か、描かれています。

また、施設入所者、退所者たちの居場所の話も出てきます。
一般の人に理解してもらいにくい支援を「リラックスできる場所」として、必要性を訴えています。
子どもたちへの支援を、「未来への投資」とはっきりとメッセージを発しています。 


…と、いろいろ嬉しくて、一人喜んでいる次第です。^^
ぜひ、多くの人に読んでいただきたい本です。

そして、次は、この小説がドラマになるといいな~と思います。
脚本は中園ミホさんがいいなあ~。

日テレさん、ぜひ『明日ママがいない』の汚名返上を!!

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drecom_bridge4smile at 20:05|PermalinkComments(1)

2012年07月13日

書籍、ようやく完成! 「できるかも。」

7月16日に、私の書いた本が出版されます!

タイトルは、「できるかも。働く母の”笑顔がつながる”社会起業ストーリー」です。

英治出版の社員のみなさんとディスカッションしながら、このタイトルに決まりました。
今では、このタイトル以外には考えられない、と思うほど、しっくりきています。

本を書こう、と決めてから、優に2年の時が流れています。
本当に、長かったです。


最初、NPOの活動を広げるためには、代表者が有名になることが一番の近道、と仲間たちに説得されて、しぶしぶのスタートでした。

でも、 いったい、だれが私の話など読みたいと思うのだろうかと、不安でした。
有名になると、かならずバッシングされるという話も聞いていて、気が重かったりもしました。

カナエール実行委員会で、副委員長を務める羽塚順子さんが、英治出版のプロデューサー、高野さんに、私のことを勧めてくださいました。

文章を書く自信がなく、また、書く時間を確保することも難しいと思い、一度、ライターさんに執筆代行をお願いしたこともありました。
でも、いただいた原稿が、自分の思いと大きく離れていたことから、やはり自分で書くことにしました。


それから、私の筆はなかなか進まず、まさに亀のような歩みでした。

英治出版の高野さんに、2週間に一度、会っていただくことにしました。

1章分書いて、アポの前日正午までに、高野さんに送り、アポの際に、フィードバックをもらい、2週間後にまた直してくる、というのを繰り返しました。

原稿を書く私のモチベーションは、「アポまでに、『宿題』を提出しないと高野さんに申し訳ない」という気持ちでした。


記憶力の悪い私は、あまり昔のことを正確に覚えていなかったことも、本を書く自信がなかった理由の一つでした。

それでも、記憶をたどり、メールや資料を見返したりすると、少しずつ思いだし、懐かしい気持ちになりました。

自分の失敗や苦しかった経験を思い出すと、泣けてきました。
その時の気持ちを、なかなかうまく表現できないもどかしさを感じました。

そんな時は、高野さんが質問、私が回答するという、ある種の「カウンセリング」をしていただきながら、文章にまとめることができました。


飾らないように、自分に正直に書きました。
でも、文章にしてしまうと、これまで、私やNPOに関わってくださった方々の思いや認識とずれてしまうことも十分あり得ます。

ゲラチェックの段階でも、関係者の指摘を受けて、大幅に修正をしたりもしましたが、まだ、不安は尽きません。

それでも、こうして形になり、この活動について、多くの方に知っていただくことができると思うと、本当にがんばった甲斐があります。


ここまで、伴走いただいた高野さん、本当にありがとうございました。
高野さんがいてくれなかったら、この本は生まれなかったと断言できます。

あと、この本の印税は、全額B4Sに寄付されます。  
つまり、子どもたちの支援につながります。 

という訳で。
子どもたちのためにも、高野さんのためにも、この本を買ってください!笑

ご購入は、こちらから! 

9784862760920



drecom_bridge4smile at 00:46|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年09月11日

人生を変える! 夢の設計図の描き方

これは、私の大好きな鶴岡秀子さんの、新しい本のタイトルです。
鶴岡さんが、サイン入りで送ってくれましたので(感動!)、早速拝読しました!
いつものつるちゃん節満載で、「伝説のホテル」のことにもたくさん触れていました。
鶴岡さんにだって、いろんな壁があって、それでも夢を実現させているんだ、と思ったら、私もまだまだやれる!と元気がわいてきました。


鶴岡さんとの出会いは、2005年の夏。
当時、私は「巣立ちプロジェクト」のセミナーコンテンツに、施設の子ども達をポジティブに励ますものを入れたい、と考えていました。

そんなとき、ある研修会社から受け取ったメルマガに、「鶴岡秀子の元気が出る教室」というセミナーの案内があったのでした。
もう即座に、この人しかいない!と思いました。

早速、その研修会社に、鶴岡さんに転送してください!と、早速講演の依頼のメールを書きました。
鶴岡さんから、まずはお会いしましょう、と返信いただき、直近で鶴岡さんが講師をするセミナーに参加することにしました。

セミナーに参加して、一層確信を深めた私は、日を改めてアポをいただき、巣立ちプロジェクトについて、説明をしました。
当時、高校生のセミナー参加者は全部で7名。欠席者も多かったので、毎回2-3人しか集まらない状況で、しかもお金も大して払えないことなどを、正直にお話しました。

鶴岡さんは、あっけないほどに即答で、OKしてくれました。

こうして、巣立ちプロジェクト初年度のポジティブシンキング講師は、鶴岡さんにお願いしたのです!


鶴岡さんの講義は素晴らしかったのは、言うまでもありません。

ただ、それ以上に、感謝しているのは、鶴岡さんと出会えたから、今のB4Sがあると言っても過言でないほど、私は自分がくじけそうなとき鶴岡さんの教えに支えられてきました。

「ピンチ!それはよかった」とか。「自分軸を持とう」とか。「夢しか実現しない」とか。「他人との比較は、地獄の入口」とか。


実は、昨年から、巣立ちプロジェクトのポジティブシンキングのセミナー講義は、僭越ながら私がやっています。
勝手に鶴岡さんの弟子となって、鶴岡さんの教えを子ども達に伝えていきたいと思っています!

自分の人生は、自分で設計できるんだよ!と。

at 00:04|PermalinkComments(3)
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