自立支援

2016年02月26日

国に期待する、新しい退所後支援制度

今朝のNHK「おはよう日本」で、児童養護施設のことがニュースになりました。取り上げていただいたNHKさま、ありがとうございました!
長きにわたり対応してきたゆってぃ、おつかれさまでした! 取材に協力してくれた退所者とその出身施設のみなさま、ありがとうございました。

さて、その中で、児童養護施設で暮らせる期間を22歳まで延長する方向で厚労省が検討を始めるという話。
児童福祉法の年齢を20歳まで引き上げるという議論にも重なりますが、根本的な問題解決になるのかな~という疑問を持ちました。

理由は、3つあります。

1つ目はニュースでも指摘されていたように、施設の受け入れキャパが十分ではないから。
虐待で保護が必要な子どもたちは増加している中、退去期限が延びればさらに枠を減らすことになってしまいます。

2つ目は、就職先や進学先が施設から通える場所とは限らないから。
交通の便が悪い場所にある施設は多く、そこから通うことを前提とすれば、ますます選択肢は狭まってしまいます。

3つ目は、施設の生活が延びること=自立ができる、とは言えないから。
親元にいて自立に迫られないため働かない若者がいるのを考えれば「自立を迫られる環境」というのは、マイナスの側面だけではありません。

一方で、ニュースでもちらっと紹介された退所後の生活資金の実質給付(児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業)は、とても良いと思っています。

これは、
-就職者であれば2年間の家賃相当額、
-進学者であれば正規修学期間の家賃相当額と生活費月5万円

5年間の就業で、返済が免除になる、というものです。

各施設の事情やそれぞれの進路選択で、制約を受けることはなく、誰でも公平に使えるものです。
この制度を活用すれば、経済面での自立のハードルは大きく下がります。

貸付&一定条件を満たせば返済免除、という形にしているのも、自立に向けたモチベーションを保ちやすくなります。
(「5年の継続就業」という条件が適当かどうかは、別にして)

今後の制度に期待したいのは、絶対に起こりうる「上手くいかなかった時」の対策です。

例えば、仕事を辞めてしまった時。
体調を崩して、働けなくなってしまった時。
ギャンブルにはまって、借金を抱えてしまった時。
人間関係が上手く行かず、メンタルが落ち込んでしまった時。

上手く行かなかった時、やり直しができる仕組みが必要です。

措置が切れても、何歳になっていても、戻れる場所があるというのは、大きな安心感につながります。
お金の心配なくご飯が食べられ、寒さに凍えることなく寝られ、必要な医療が受けられ、就労支援が受けられれば、
もう一度がんばってみよう、という意欲もわいてくるのではないかと思います。

失敗してもいい前提でもう一度やり直しが利く、一人ひとり全くことなる事情に柔軟に対応できる仕組みを、作ってほしいです。



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2015年01月26日

巣立ちプロジェクト2014を終えて。

昨日、10年目の巣立ちプロジェクト最終回でした。

全6回のセミナーのうち最終回だけは、7ブランチ合同で開催。
高校生、サポーター合わせて200人以上が一堂に会する盛大な会になりました。

18歳で施設を出なければならない子どもたちは、足りないものばかり。
巣立ちプロジェクトでは、そんな足りないモノばかりの子ども達をサポートするために、セミナーで一人暮らしに役立つ情報を教えたり、生活必需品をプレゼントしたり。
退所後孤立しがちな子ども達に、分かり合える仲間、相談できる大人の存在も必要です。

しかしながら、子ども達のニーズに対して、6回のセミナーで伝えられる情報や、寄付仲介で渡せる生活必需品は、全然足りていません。
巣立ちプロジェクトを受けたからって、必ず自立できるってことでもありません。

うまく行ってない退所者の話を聞いたりすると、もっと自分に何かできなかったかと落ち込むこともあります。
自分たちのやっていることって、気休めなんじゃないか。ただの自己満足なんじゃないか。そんな不安に襲われることもあります。

昨日の最終回は、そんな不安を打ち消し、強く励ましてくれる会でした。

一つは、パーティで流れた、ブランチ毎の映像。

真剣に取り組む表情や、笑顔で談笑する場面が、イキイキと映像で見ることができました。
サポーター一人ひとりが、それぞれのブランチで高校生に真剣に向き合ってくれたんだと思うと、うるうるしてしまいました。
これは、カナエールクリエイター出身者たちが作ってくれたもの。プライバシーの関係で、多くの人にお見せできないのが、本当に残念です。

そして、もう一つは、修了パーティの最後、ブランチ代表の高校生による挨拶。

「最初はホントに面倒くさいと思ったけど、だんだん楽しくなってきた。」
「職員にプレゼントがもらえるって言われて来たけど、毎回サポーターが話してくれるお得な情報や体験談がとても勉強になった。」
「同じ施設出身者の仲間がこんなにたくさんできたのが、嬉しい。」
「応援してくれる大人がこんなにいることを知って、勇気がわいた。」
「ここには、信頼できる大人がたくさんいた。」

128人のサポーター一人ひとりが、きちんと運営してくれて、あたたかい場づくりをしてくれたおかげです。
はじめましての多様な社会人を取りまとめてくれたリーダーたちのおかげです。
私たちを信頼して高校生を送り出してくれた施設職員のみなさんのおかげです。
合計300万円を超える生活必需品を提供してくださる企業や個人の皆様のおかげです。

巣立ちプロジェクトも、本当にたくさんの人たちの協力の上に成り立っています。
本当に本当にありがとうございました!!


高校生たちには、何度も言いたい。

失敗しても大丈夫。いつでもやり直せるから。
困った時は、相談してね。B4Sは、おせっかいなオトナ達の集まりなんだから。

笑う門には福来る! 前を向いて、笑っていこう!


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2015年01月17日

セルフリーダーシッププログラム誕生ストーリー

カナエール セルフリーダーシッププログラム(SElf Leadership Program/セルプ)とは、エンパワを対象にしたオプションの研修です。

研修は有料で15万円です。(※但し、初年度の今年は10万円です。)
ビックリしましたか?

現在、このSELPの参加者を募集しています。

カナエールは相当な時間を費やしてもらうため、ボランティアを集めるのもたいへんですが、ご想像の通り、さらにオプションで有料研修に参加してもらうのは、もっとたいへんです。^^

そのためには、もっとSELPの魅力を伝えなくちゃ!

ぜひ、多くの人にSELPを知ってもらいたい。そして、できれば参加していただきたいです。

まず、最初にSELPが生まれた背景からお話します。


【収益事業は、NPOにとって大切!】

「そもそもNPOって収益を上げていいの?」と思われる方もいるかもしれません。

はい。問題ありません。かえって、NPOマネジメントの観点からは、収益事業を行うことが推奨されています。
というのも、財政基盤がぜい弱で、継続的もしくは発展的な活動ができないNPO団体が少なくないからです。

現在、年間1億円規模で事業を行うB4Sにおいても、収入をいかに確保するかは重大な問題です。

カナエールの奨学金を始め支援に必要なお金はますます増えています。
支援者数の増加、事業の拡大に伴い、スタッフの採用も常勤14名、非常勤3名にまで増えています。
スタッフがいなければ、関係者(施設100施設、企業100社、ボランティア300人、寄付者500人など)の皆様とのやりとりもままなりません。

B4Sは、行政事業を受託しているのですが、行政事業は単年度ごとの契約ですから、継続するかどうか毎年ヒヤヒヤします。

突然事業が立ち行かなくなることがないようにするため、NPOの財政基盤の安定のためには、寄付を増やすこと、独自の収益事業を構築することが欠かせないのです。


【ボランティア向けの研修!】

そうかといって、本業と全然異なる事業に力を割かなければいけなくなっては本末転倒。悩ましいところです。 
事業の特徴を生かしつつ、付加価値にできることが収益事業になりうる!と頭をひねり、いろんな可能性を探る中で出てきたのが、ボランティア向けの研修でした。

ボランティア向けの研修として、B4Sには「自立サポートスタッフ養成講座」という有料研修(17,000円)があります。
これまでに200人以上のサポーターがこの研修を受けており、NPOの収入源の一つになっています。
 
5年前に導入をした時は、「ボランティアから時間の貢献をしてもらっている上に、カネまで取るのか!」と反発もありました。><
また、いくつかの支援活動は、その有料研修を受けなければできないようにしたため、活動を担ってくれるボランティアが確保できないのではないかという現場からの不安の声もありました。

受講者は、子ども達への支援の在り方や具体的なスキルを学ぶことで、活動上の不安を軽減できます。
それは、結果的に子ども達にとっても良い支援を受けられることになります。

「そんなの無料の研修でもできるじゃない?」という声が聞こえてきそうです。

もちろん、それはそうなのですが、有料にすることのメリットは、B4Sの運営資金になるだけでなく、参加のハードルを上げることで、より意欲の高い支援者を確保することができるという副次的な効果もあるのです。


【企業の内定者、もしくは新入社員向けの研修は!?】

収益事業として、以前から「ボランティア活動を、企業の社員向け研修プログラムにできないか」というアイディアがありました。
 
社会貢献活動を通して、社員の意識を変えていきたいと考える企業は少なくありません。
具体的に、ある企業の新入社員研修として、ボランティア活動を導入できないかと相談を受けたこともあります。

ですが、どう頭をひねっても、施設の子ども達にとってのメリットに結びつきませんでした。
未熟な新入社員から教わることは、残念ながらほとんどなさそうです。
また、企業の内定者、もしくは新入社員向け研修にする場合、「単発的な関わりであること」や「受講者数に見合った子ども数が必要であること」が求められます。

子ども達の事情に配慮がなく、さらにメリットがないことは、絶対に受け入れられません…。


【カナエールのエンパワなら!】

その中で、カナエールのエンパワなら企業向けの研修として成立するかもしれない、と考えるようになりました。
というのも、エンパワに必要とされる力が、企業において必要とされる力にとても良く似ているのです。

カナエールでは、未熟な若者(カナエルンジャー)に、決められた期日(コンテスト当日)までにアウトプット(スピーチ)させ、優秀賞を目指させるために、働きかける役割だからです。
年齢も、生活環境も、価値観も全く異なるエンパワ3人とカナエルンジャーは、チームの一員としてコミュニケーションを取り、互いを尊重し、協力しなければなりません。

コレ、会社のリーダーが置かれている立場と似てませんか?

リーダーは、決められた期日にアウトプットを出すために、ToDoの洗い出し、スケジュール調整、進捗管理もしないといけない。
他部門の協力も必要なのに、カルチャーや価値観が異なるのか、なかなか伝わらない。
目標達成のためには、新人にも、がんばってもらわないといけないのに本人にはいまひとつ意欲がない。
リーダーなんて、責任ばかり負わされて、やってられない。
リーダーたちの嘆きが聞こえてきます。

もしも、他者に依存し、上から言われたことだけをやればいい、と考える社員ばかりになってしまったら、会社の活力は失われてしまいます。
リーダーの育成は、会社の死活問題です。

主体性を持ってプロジェクトにコミットし、メンバーの強みを生かし、後輩を育て、成果を出す。
そんなリーダーを座学とOJT(カナエールのエンパワ活動)で育てる研修ができないかと考えたのです。


【企業向けから、個人向けへ!】

企業にとってのメリットは、リーダーを育成できること。
加えて、小さなことかもしれませんが、研修費(全額経費)で、社会貢献ができることです。

一方で、子ども側のメリットはどうでしょうか?
もし、研修を受ける人(=エンパワ)が、企業から送り込まれてイヤイヤ参加している人だったら、そんな人に支援してほしいと思うでしょうか?

企業が育成したいと思う人材と、カナエルンジャーが必要としている人材がマッチしなければ、プログラム自体が成り立たなくなってしまいます。

それでも、まずはやってみないと課題もわからないと思ったので、昨年、カナエール2014のエンパワから10名にトライアルでこの研修を実施することにしました。

一緒にプログラムコンテンツを考えてくれたのは、5人のプロフェッショナルたちでした。
通常は、それぞれがビジネスの現場で、研修講師やコーチとして、活躍しているメンバーです。
この豪華な講師陣にご協力いただくことができるのも、NPOならではの強みです。
SELP講師陣


実施してみた結果、大きな手ごたえを感じることができました。

座学での学び、カナエールで実践しようとする前向きで意欲的なエンパワの存在は、カナエルンジャーにとっても、 チームにとっても、プラスに働きました。
中には、早速職場で実践してみるメンバーも現れました。
Before /AfterでEQ診断を実施したところ、劇的に変化を見せた人もいました。
SELP_EQ
 ですが、企業向けに研修を売っていくのは、難しいという結論に達しました。

2つの理由があります。

一つは、参加した人によって成果がバラバラだったこと。
 
その理由は、支援するカナエルンジャーのタイプにも、チームメンバーの構成も、研修参加者本人が持っている課題にも、同じパターンが一つとして無いためです。
「必ずこれができて、これが身につきます」と言えないと、企業への研修とするには無理があります。

当初、「ビジネスで必要なリーダーシップが身につくこと」というコンセプトを、「自ら考えて動けるセルフリーダーシップが身につくこと」と変更したのも、このためです。

もう一つは、「自分から参加したいと思うこと」が、まずは参加の最低条件だと考えたからです。
「自ら動くリーダーシップ」を身につけようとするとき、参加のきっかけが「会社に言われてきたから」では、学びに不可欠な意欲があるのか疑わしいです。

よって、このプログラムは、ワークやコーチングを多く取り入れ、講師は考える切り口を提供し、参加者一人ひとりの課題、目標設定に寄り添うカタチになりました。
本や講義だけでは学べないことを、同じ成長意欲のある仲間と学び合うことができるのです。

日頃の仕事とは全く違う環境、上下関係やしがらみも何もない人たちの中に身を置く経験だけでも、貴重です。
ゼロから作り上げる経験を、「こんなに夢中になったのは学生の時以来」と言う人もいます。

誰かのために夢中になる中で、自分と向き合わざるを得なくなります。

自分の課題に気づき、言語化し、整理して、学びに変えていく。
相手を変えるには、自分の言動を変えないといけない。

SELPは、そろそろ次に進むべきタイミングの人、進むべき道に迷っている人に、ピタッと来るみたいです。

最後に、この研修の価格設定、15万円について。確かに高いです。
ですが、この金額は、日頃ビジネスで研修をしている講師陣たちの感覚では、「安い位」。
世の中にあふれる自己啓発セミナーと比べても、全く遜色ない、自信を持って提供するコンテンツです。
主催がNPOだからって、価値を下げたくない。そんな思いで設定しました。

長くなりました。ぜひ、まずは、説明会に参加してください!
http://www.canayell.jp/2015/empowerment/


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2014年07月07日

カナエール2014、大盛況で終わりました!

カナエール2014、東京、横浜、福岡の3拠点で開催しました!!

が実は、ほんの1か月前、1030人の集客(東京610人、横浜420人)が3割しか達成していない、というたいへん苦しい状況でした。

カナエールの集客は、ファンドレイジング、つまり「5000円のチケットを売る」ってこと。
日曜日の午後に、子どものスピーチを聴くために時間とお金を使うって、そりゃとても難しいってこと、わかってはいたのですが…。
1000人ってハードルが、想像以上にやっぱりすごい高かったのでした。f^^;

不安な気持ちを何度も振り払い、「意義を感じてくれる人は必ずいる!」と励まし合って…。
とにかく必死でした。

終わってみれば、どの会場も、満員御礼!! …感無量です!


子どもたちの現実を知って、なんとかしなくちゃ、と思い、行動する大人が増えないと社会は変わらない。
だけど、当事者ではない私からでは、なかなか上手く伝わらない。
とはいえ、子どもたちも見ず知らずに大人になかなか本心を明かさない。
だから、いつまでたっても多くの人がこの問題について知らない。理解できない。

問題が複雑で大きすぎるため、知れば知るほど無力感に苛まれるし、おおきなニーズからすると亀のような歩みに、せっかちな私は苛立つこともあります。

でも、カナエールのコンテスト会場退場口でお客様をお見送りした際の感想を聞いたり、facebookで投稿していただいた感想を読んだりして、

「社会で守るべき子どもたちの存在」
「子どもたちの未来、夢、希望の大切さ」
「大人たちにできることがある」

カナエールが伝えたかったメッセージが、スピーチコンテストを通して、たくさんの方に届いたことが実感できて、とてもとても幸せでした。

このコンテストを一緒に作り上げてくれた、みんなにお礼を言いたいです。

・夢を諦めないカナエルンジャーたち。(24人)
・仕事の合間をぬって、ルンジャーと一緒にスピーチと映像を作り上げていったエンパワ。(73人)
・惜しみなくそれぞれの専門性を発揮してくれた実行委員。(約60人)

・貴重な日曜日の午後とお金を使ってご来場者さま。(約1200人)
・キビキビと当日の裏方を支えてくれたイベントボランティア。(約100人)
・資金で応援してくださる継続サポーターのみなさま。(420人)
・資金、物品協賛、社内告知などでご協力いただいた企業さま。(約40社)
・映像のインタビューにご協力くださった方(約30人)
・お花を贈って下さった方(4人)
・チラシ配布やSNSシェアなど告知に協力くださった方(約300人)

そして、聡明さと責任感、そして思いやりを持って関わってくれたボードメンバーのおぎー、うーさん、けんけん、りゅうさん。

膨大なToDoを着実にこなし、忙しいときも笑顔で励まし合いながら準備を進めてくれた事務局スタッフのゆってぃ、たみぞー、あいしゃ。

本当に、みんな素敵すぎます!
心から、感謝しています。言葉だけでは伝えきれませんが、本当にありがとうございました!!

頼りない代表ではございますが、子どもが夢を持てる社会を作るため、今後も一緒に活動してください。
今後ともよろしくお願いします!

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2012年10月28日

横浜市から、事業を受託しました!

ご報告が遅くなりましたが、横浜市からアフターケア事業を受託しました!

収入が不安定なNPOとしては、行政からの事業受託は、本当にありがたいことです。
いま、横浜市からの期待、施設関係者からの期待をひしひしと感じています。
がんばらなくちゃ~~~!

さて、今日までの簡単な経緯をまとめておきます。
これから、拠点を立ち上げようという方の参考になるかも、と思ったので。

◆2011年秋。
横浜市の担当者7名が、東京まで視察にお越しになりました。

◆2012年6月。
横浜市から「退所者のためのアフターケア事業『イツモ・プロジェクト』」の公募が出ました。
募集要項の中で求められているのはたいへん盛り沢山な内容でした。
居場所・相談事業、セミナー事業、住宅支援、就労支援、当事者活動支援など。

どこまでできるのか?と不安が募りました。
それでも、ぜったい事業受託したい!という思いがありました。
B4Sのメンバーは、すでに既存業務で手いっぱいのため、受託が確定するまでの検討、申請は、私と理事の小川さんの二人で行うことにしました。

とにかく攻めの姿勢の私と、堅実な守りの姿勢の小川さんとで、「ここまでならできるライン」を相談して、事業計画を提出しました。

◆2012年7月。
初めて、入札に参加しました。
事前に、採用基準も提示されていて、とても公平な制度だと思いました。

うち以外に、もう1社が入札に参加していました。
若年生活困窮者や、ニート、引きこもりの支援を行う団体だったそうです。

5名の面接官を前に、20分程度のプレゼンと質疑応答をしました。
面接を受けるのは、久しぶりでしたので、とっても新鮮でした。

◆2012年8月16日。
受託内定のお知らせが来ました!
ここから、スタッフ確保、拠点の立ち上げに向けて急いで対応必要でした。

◆2012年9月。
退所者の居場所となる拠点の選定も開始しました。
一級建築士であり、不動産関係に強いB4Sサポーターが、横浜街歩きをして10か所ほど、候補を挙げてくれました。

半日かけて、横浜市の担当者2名とB4S3名で候補の7軒を回りました。
最後に内覧した「ハイツ横浜」に、全員一致で決定!

同時に、スタッフの募集を開始しました。

ネット上で公募したのですが、残念ながら、思ったほど応募がありませんでした。
結局応募のあった4名のうち、3名と面接をして、1名を採用。

残りの2人は、すでに別のつながりで採用を決定しました。
一人がB4Sで長く活躍していたサポーターが転職を決意、もう一人は、B4Sメンバーの紹介で面接、採用しました。

◆2012年9月25日
林文子市長と、記者会見。
初めての記者会見の経験でした。
インターネット中継もあって、ちょっとドキドキしました。

◆2012年10月1日
事業開始。といっても、まだリフォームができてなかったため、電話だけの受付でした。

リフォームは、社会貢献にとてもアツイ会社で有名な株式会社ソーケンさまにお願いし、最初の相談から約3週間、工事は1週間の超スピード対応で板張り、天井のダウンライト、個室の間仕切りなどを施工いただきました。

中の家具、インテリアは、unicoというブランドの家具をプロデュースする株式会社ミサワさまに全面的に協賛していただくことになりました。

◆2012年10月5日
居場所事業を行う「日向ぼっこ」や、難しいアフターケアを請け負う「ゆずりは」を訪問。
事業内容を固めていきました。

◆2012年10月18日。
家具搬入。株式会社ミサワさまの社員3名も、駆けつけてくれました。
夜は、横浜メンバーの歓迎会。

そして、拠点の名称決定!
「よこはま Port for(ポートフォー)」
みんなが帰ってくる港にしたい!という思いから名づけました。

◆2012年10月22日~24日
内覧会。来所者は、3日間で80名。
13時~17時まで、30分刻みで説明を行いました。
私は、同じことを19回説明しました。

◆2012年11月3日(土)15-20時
オープニングパーティ。は、これからです。
横浜の施設退所者の方、横浜にお住まいの退所者の方、横浜に遊びに来たい方、ぜひお越しください!


振りかえれば、この2か月、本当に怒涛の忙しさでした。

自分ではあまり意識しませんでしたが、心理的なプレッシャーも大きかったようで、胃腸の調子がわるくなったりもしました。

でも、「まだないもの」を形にするとき、私はすごくワクワクするし、力が沸くんだ、ということを改めて実感しました。

また、久しぶりに施設を訪問したり、施設長や職員と話をしたりするのも、楽しかったです。
立ち上げ当初はときどき拠点のシフトにも入るのだけど、やっぱり現場は楽しいなと思います。


いろんなことを考えさせられた、横浜市事業の立ち上げでした。

もちろん、事業はまだ始まったばかり。事業の骨子も、5割程度しか完成していません。
ここからはメンバーが主体となって、よりよい事業を作って行ってくれると思います。

私も、後ろからしっかりサポートしていきたいと思います。

さて、以下は、事業の柱の一つである、退所者のための居場所事業、
「よこはまPort for」の利用案内です!
(ホームページ完成まで、もう少しお待ちを!)
====================================

●対象

児童養護施設、里親家庭、ファミリーホーム等の退所者、中高生
(横浜市外の方も利用可能)

●場所

横浜市西区高島2-5-5 ハイツ横浜203

※横浜駅東口から徒歩5分です。

●オープン時間

火水は、14-18時
金土日は、14-20時

※金土日は、みんなで一緒にご飯を食べますよ。
(300円かかります)
(16時までに電話予約)
※利用者登録が必要です。
(登録はもちろん無料)

●連絡先

電話 045-548-8011
FAX 045-548-8022

担当:前畑、高橋、吉原

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====================================


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2012年08月01日

カナエール継続サポーター募集!

奨学金支援「カナエール」。

今年7月1日に行われたスピーチコンテストは、およそ300人が会場に詰め掛け、若者たちの思いのこもったスピーチに涙しました。

「すごく良い仕組みだね」って、とても多くの人に言っていただきます。

もちろん、とても嬉しいです。

でも、まだまだ上手く行ってない部分がたくさんあります。
褒められれば褒められるほど、現実とのギャップが開いていきそうで、正直怖いです。


★一番の課題は、奨学金の原資となる寄付。


カナエールは、一時金30万円と、卒業まで毎月3万円の奨学金を返済不要で給付します。

4年制大学なら、一人174万円
2年制大学なら、一人102万円

このお金は、個人からの継続寄付と、企業からの協賛、一般寄付、コンテストの入場料で成り立っています。


企業からのご協賛は、昨年は1口250万円を超える寄付が4社からありまして、非常にありがたかったのですが、今年は、アドビ システムズ 株式会社1社のみです。

企業からのご寄附は、会社の経営状況や方針に左右されるのは、やむを得ないこと。
安定的に資金を確保していくには、個人からの継続的なご支援が欠かせません。 

カナエールは、1口2000円×15口の3万円で、1人分の月々奨学金を支援する仕組み。

現在、103口の継続サポートをお申込みいただいています。
一方、奨学金を支給しているのは、18人。
(※うち2名は、来春、高校卒業後に支給開始)

昨年の貯えで、18名分の卒業までの奨学金を確保していますが、今後、新たな奨学生を募集していくには、見通しは、たいへん不透明です。

このままでは、全国展開なんて、夢のまた夢。
下手したら、今のカナエールだけでも、来年の募集人数は、5名程度に留まりそうです。


ぜひ、奨学金継続サポーターになってください。

そして、希望格差に苦しむ若者たちが、一人でも多く、進学できるよう支えてください。

心から、みなさまのご協力をよろしくお願いします。

継続サポートのお申し込みは、こちらから。


 カナエール2012_PR_継続サホ=ートのしくみ




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2011年11月28日

自立ナビゲーター募集!

もうすぐ12月。1年が本当にあっという間です。

そして、3月になれば、施設の高校3年生は巣立ちの日を迎えます。
1人暮らし準備セミナー「巣立ちプロジェクト」に参加中の高校3年生たちも、
期待や不安、複雑な思いで今を過ごして
いることと思います。

今日は、そんな彼らへの退所後支援の一つ「自立ナビゲーション」を担ってくれる
サポーター「自立ナビゲーター」の募集について、ご案内させていただきます!

***

B4Sの退所者サポートメニューには、巣立ちプロジェクトが終わったアトモ、交流を続けて
いく「アトモプロジェクト」があります。

2か月に1度のセミナーや、週に1回のメルマガ、誕生日カードなど、孤立しがちな
退所者に、様々なアプローチを継続的に行っています。

ところが、こちらの思いとは裏腹に、退所者は「欠席」とか、「レスナシ」とか、なかなか
思うようにならないことが多いです。
退所後支援のムズカシサ、です。

その中で、マンツーマンの見守りサポート「自立ナビゲーション」は、最も効果がある
のではないかと、手ごたえを感じているプログラムです。

***

自立ナビゲーターを、一言で言うと。

★「自分に関心を持ってくれてる近所のお兄さん、お姉さん」

日頃は、笑顔で挨拶や冗談を交わすような関係です。
何か悩み事がある時は、親身になって相談に乗ってくれるような人です。

物理的に「近所」に住むことは難しいですが、精神的に自分の近くにいてくれる存在。

仕事の愚痴も聞いてくれるし、恋愛のアドバイスもくれる。
時には、真剣に自分のことを叱ってくれる。

***

今年、自立ナビゲーションを受けているルーキー(私たちが支援する退所者のこと)は、約40名。

来春、自立ナビげーションを希望するルーキーは、「60人」と予想しています。
現状では、「自立ナビゲーター」が、ぜんぜん足りていません…。

***

正直、自立ナビは、簡単な支援ではありません。

1年を通して、月に1回、ルーキーと会う、という物理的なたいへんさももちろんありますが、
それよりも、精神的なたいへんさ、です。

ルーキーは素直じゃなかったり、気まぐれだったり、ルーズだったり…。
振り回されることも少なくありません。

それでも、半年ほどたち、関係が少しずつできてくるといろんな話を聞かせてくれます。

また、ルーキーが抱える問題は、あまりにも困難なことが少なくありません。
胸が痛くなったり、無力感を感じたり、とても自立ナビ1人じゃ抱えきれないことが
多々あります。

そんな自立ナビのみなさんを、プロジェクトリーダーと、スーパーバイザーが
きめ細やかにサポートしてくれています。

個人ではできないことも、組織ならできることがあります。

***

「自立ナビをやってみたい」と思ってくださった方、ぜひ、チャレンジしてみてください。
人のためにやさしくなること、一生懸命になることで、自分自身も大きく成長できます。

続きを読む

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2011年01月19日

政治を動かす「タイガーマスク現象」

タイガーマスク現象で、長年の懸案でした職員配置基準の問題にまで、メスが入ろうとしています。

様々な課題がある中でも、配置基準の改善は、施設関係者の間では、切実な問題でした。
しかしながら、その増加費用は大きく、実現は不可能ではないかとあきらめムードさえ漂っていましたので、
本当に伊達直人様様でございます!


施設の問題として、もう一つ強く訴えたいことが、退所後の支援です。

◆退所した子どもへの公的支援は、皆無。

18歳になると、施設を退所しなければなりません。
また、18歳未満でも高校に通わない子ども(中卒で働く子や、高校中退する子)は、施設を出なければなりません。
昨年の法改正で、手続きをとれば、最長20歳の誕生日前日まで施設入所延長ができるようになりましたが、本当に特別な場合(病気や重度の障がいなど)だけです。

「児童福祉法」は、18歳の誕生日前日までの子どもを「児童」としているため、18歳になった子どもは、「児童福祉法」で守ってもらえないのです。

平成16年には、「退所後の支援」が、施設の役割として付加されましたが、予算が配分されたわけでもなく、努力義務に留まっています。
ただでさえ、人手不足ですから、施設を退所した子どもたちのサポートまで手が回らない施設が大多数です。

つまり、施設を出ると「公的支援は、なくなる」のです。


◆一人一人の事情に合わせた自立支援

私は、自立の準備が整ったかどうかは、年齢によって判断されるべきではないと思っています。
ましてや、中卒や、高校中退する子は、学歴の低さや対人関係力の低さなどから、生活困難に陥ることが簡単に想像できます。
「児童養護施設」という箱を出たら、「自立できるはずだから支援はしない」なんて、ありえないと思っています。

親の代わりに施設や里親など社会で育てている子どもたちです。
自立できるまで社会がサポートするのは、当然のことではないかと思います。

「家庭の事情」、「自立の準備度合い」、「今後の生活の見込み」など、子ども一人一人で、全く異なります。

しっかりしている子は、どんどん一人暮らしを経験させていったらいいでしょう。
施設出身者には、本当にびっくりするほどしっかりした子がいます。

一方で、ひどい虐待を受けていたり、施設で十分に心の傷を回復できてなかったりする子もいます。
自傷行為(リストカットなど)や、反社会的行為に走ってしまう子もいます。

まだ自立できない子には、サポートする側がしっかりと体制を整えて、サポートできたらよいと思います。

つまり、一人一人に合わせ、自立できるまでサポートできる、丁寧な支援体制が欠かせません。


◆タイガーマスク現象をブームに終わらせない

しかしながら、これまでできてないのには、いくつもの事情が重なっていると思います。

一番大きいのは、「政治に働きかけるチカラがなかったこと」。

経済力も、投票権も持たない子どもたちの環境を変えられるのは、「政治を動かす社会の関心」なんだと、
今回のタイガーマスク現象が教えてくれました。

「伊達直人」さんが、これからも、子どもたちを応援し続けること。
この現象をブームに終わらせないことが、子どもたちの状況を改善していきます。

私も、子どもたちを支援する立場から、積極的な発信を心がけます。
是非、今後も応援をよろしくお願いいたします。

 



drecom_bridge4smile at 07:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2010年10月15日

スマイリングプロジェクト 立ち上げの記録4


◆入居者が集まらない!

2009年12月下旬、たしかクリスマスの3日前。あわただしく、入居者募集を開始しました。

施設職員たちにとっては、突如湧いて出た支援の話。
というのも、私は、シェアハウスのことが確実になるまで、ほとんど施設職員たちに詳細を話しませんでした。
それは、数ヶ月前ブリッジフォースマイルから紹介した他団体支援の内容を私が正確に把握していなかったことが原因で、ある施設職員から厳しいクレームを受けていたからです。

私はその失敗から学んだことは、
「自分ができる限り正確に把握したつもりでも、足りないことはある。
ましてや自分が責任を負えない不確かな状態で、期待だけ持たせることはしてはいけない。」

ところが、12月下旬には、進学者たちの多くは住居の当てをつけていたり、そもそも、進学するかどうかは、夏休みに入る前に、住居の見込み次第で判断していたりしたのです。

また、昨年度から自立援助ホームの制度が変わり、進学者が入居できるようになったことも大きな誤算でした。

物件を安く用意していただいた大家さんの手前、入居者が集まらないという事態は避けなければならない。

そこで、就労者、理解ある一般社会人や学生などにも入居者を募集することにしたのです。

その変更を受けて、入居が決まったのは、2人。

一人は、近郊県の施設に住む就労予定の高校3年生でした。
彼女は、「住み込み/寮付」の仕事に絞って、就労先を探しており、内定をもらえずにいました。
1月にこの住宅支援を知り、まずは住居を決め、都内で就労先を探すことにしました。
内定を得ることができたのは、その後すぐでした。

もう一人の入居者は、看護士として働く一般社会人でした。
同じ入居者という立場で、一般家庭で暮らした経験の少ない子どもたちをサポートしてください、とお願いし、快く引き受けてくれました。

こうして、なんとか、5名定員のうち4名の入居者が確定し、3月を迎えたのでした。



drecom_bridge4smile at 08:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2010年10月09日

スマイリングプロジェクト 立ち上げの記録3

スマイリングプロジェクト立ち上げ当時の記録、3回目です。
2009年12月ごろの出来事です。

◆保証人は施設長に

スマイリングプロジェクトでは、賃貸契約の保証人を施設長にお願いすることにしました。

これには、理由があります。
施設長が保証人となって、例えば滞納金などの支払いが発生する場合は、公的に保証される、という制度があったからです。


日本の法律では、20歳未満は「未成年」。
未成年との契約は、法的に効力を持たないため、必ず保護者のサインが必要です。

つまり、退所後20歳の誕生日を迎えるまで、子どもは自分だけで「契約」ができないのです。
アパートの契約はもちろん、携帯電話の契約も、クレジットカードの契約も、全て保証人が要るのです。

子どもたちは、親が頼れないために施設にいて、その施設からも18歳には社会に出て、大人として自立を促されるのに、法律では、自立した大人と認められない。

大きな矛盾を感じます。

それでも、親に保証人になってもらえる子が4割程度います。
親と関係が良好であったり、親が生活保護を受けていることを明らかにしなかったりすれば、大丈夫だったりします。

親に保証人になってもらえない子は、施設長や施設職員に保証人になってもらいます。

ところが、中にはアパートの家賃が払えなくなると、滞納を重ねた挙句、荷物を残していなくなってしまう退所者がいるのです。

そうなると、保証人となった施設長は、大家さんから連絡を受け、滞納金(時には原状復帰の費用)を支払い、荷物を引き取ってくるのです。

その費用負担は、これまでずっと施設長の個人負担でした。
よって、施設長は保証人にならない、という姿勢を貫く施設もありました。

そんな背景を踏まえて、ようやく平成19年、厚生労働省から「身元保証人確保対策事業の実施について」という通達が出て、施設長が保証人となったことで被る費用を公的に補助しよう、ということになったのでした。

そのため、スマイリングプロジェクトでは、施設長に保証人になってもらうことをお願いしています。


◆制度がない・・・!?

東京都では、「自立援助促進事業」の「児童福祉友愛互助会基金 杉浦基金」という名称で、運営がされています。

ところが、東京以外の地域で、スマイリングプロジェクトのご案内を進めていったところ、施設長たちがこの制度を知らないのです。

確認のために、ある県の、運営主体であるはずの社会福祉協議会に連絡をしたところ、担当者が、「そのような制度は当県にはありません」というのです。

えっ…!?

慌てて、厚生労働省の担当者に問い合わせました。

担当者は、管轄となる県と政令指定都市から、通達に基づき制度化するかどうかを確認していました。
ほとんどの県と政令指定都市が、その制度を運用すると回答していました。

つまり、制度が制度としてきちんと整備、運用されていなかったのです。

今、スマイリングプロジェクトで入居している退所者は、全て施設長に保証人となっていただいています。


こういうことは、よくあることなのかもしれません。
いずれにしても、やってみなければわからない実態でした。

しかしながら、この一件は、私がメンバーからの不信を招く大きな出来事となってしまいました。
林が施設から得たと言っている情報は、どこまで信頼できるのかわからない、と。

drecom_bridge4smile at 09:09|PermalinkComments(1)TrackBack(0)
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