2011年01月19日
政治を動かす「タイガーマスク現象」
タイガーマスク現象で、長年の懸案でした職員配置基準の問題にまで、メスが入ろうとしています。
様々な課題がある中でも、配置基準の改善は、施設関係者の間では、切実な問題でした。
しかしながら、その増加費用は大きく、実現は不可能ではないかとあきらめムードさえ漂っていましたので、
本当に伊達直人様様でございます!
施設の問題として、もう一つ強く訴えたいことが、退所後の支援です。
◆退所した子どもへの公的支援は、皆無。
18歳になると、施設を退所しなければなりません。
また、18歳未満でも高校に通わない子ども(中卒で働く子や、高校中退する子)は、施設を出なければなりません。
昨年の法改正で、手続きをとれば、最長20歳の誕生日前日まで施設入所延長ができるようになりましたが、本当に特別な場合(病気や重度の障がいなど)だけです。
「児童福祉法」は、18歳の誕生日前日までの子どもを「児童」としているため、18歳になった子どもは、「児童福祉法」で守ってもらえないのです。
平成16年には、「退所後の支援」が、施設の役割として付加されましたが、予算が配分されたわけでもなく、努力義務に留まっています。
ただでさえ、人手不足ですから、施設を退所した子どもたちのサポートまで手が回らない施設が大多数です。
つまり、施設を出ると「公的支援は、なくなる」のです。
◆一人一人の事情に合わせた自立支援
私は、自立の準備が整ったかどうかは、年齢によって判断されるべきではないと思っています。
ましてや、中卒や、高校中退する子は、学歴の低さや対人関係力の低さなどから、生活困難に陥ることが簡単に想像できます。
「児童養護施設」という箱を出たら、「自立できるはずだから支援はしない」なんて、ありえないと思っています。
親の代わりに施設や里親など社会で育てている子どもたちです。
自立できるまで社会がサポートするのは、当然のことではないかと思います。
「家庭の事情」、「自立の準備度合い」、「今後の生活の見込み」など、子ども一人一人で、全く異なります。
しっかりしている子は、どんどん一人暮らしを経験させていったらいいでしょう。
施設出身者には、本当にびっくりするほどしっかりした子がいます。
一方で、ひどい虐待を受けていたり、施設で十分に心の傷を回復できてなかったりする子もいます。
自傷行為(リストカットなど)や、反社会的行為に走ってしまう子もいます。
まだ自立できない子には、サポートする側がしっかりと体制を整えて、サポートできたらよいと思います。
つまり、一人一人に合わせ、自立できるまでサポートできる、丁寧な支援体制が欠かせません。
◆タイガーマスク現象をブームに終わらせない
しかしながら、これまでできてないのには、いくつもの事情が重なっていると思います。
一番大きいのは、「政治に働きかけるチカラがなかったこと」。
経済力も、投票権も持たない子どもたちの環境を変えられるのは、「政治を動かす社会の関心」なんだと、
今回のタイガーマスク現象が教えてくれました。
「伊達直人」さんが、これからも、子どもたちを応援し続けること。
この現象をブームに終わらせないことが、子どもたちの状況を改善していきます。
私も、子どもたちを支援する立場から、積極的な発信を心がけます。
是非、今後も応援をよろしくお願いいたします。
トラックバックURL
この記事へのコメント
是非、今後も応援をよろしくお願いいたします。