2008年02月29日
【報告書解説②】 小規模化
社会的養護専門委員会の出した報告書を、順を追ってわかりやすーく解説する試みの続きです。
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1. 子どもの状態に応じた支援体制の見直し
(1) 家庭的養護の拡充
[2] 小規模グループ形態の住居による新たな養育制度の創設
[3] 施設におけるケア単位の小規模化等家庭的養護の推進
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[2]は創設、つまり新しく作るわけです。
里親と施設の中間的な存在とイメージしてください。
すでに「里親グループホーム」という形態が存在します。
里親が、5-6人の子どもをみていますが、とても手が回っていないのが実態のようです。そこを補う形として浮上してきた案です。
[3]の「施設における家庭的養護の推進」は、グループホームの設置や小舎制への移行を進めるように、ということです。
ただ、推進って言っても簡単には取り組めない現実があります。
グループホームは、一般の住宅と同様に、ひとつの家に子ども6人が生活します。
その子どもたちをみるのは、当然職員ですが、交代で働くため少なくても3人は必要です。
つまり、職員3人に子ども6人。
児童養護施設の職員配置基準は、職員1人に子ども6人。
職員を増やすことは、容易ではありません。
しかも、交代なので職員一人で対応しなくてはいけない場面が多々あります。一人がトラブルを起こして職員が対応する間、残りの5人は放っておかれる、もしくはピンチヒッターの職員を手配しなければならないわけです。
また、調理洗濯なども、一手に担うため、子どもと向き合う時間が確保されにくい状況です。
それから、そもそも住宅の確保が困難です。
グループホーム開設に関わったある施設職員から聞いた話です。
物件30軒以上に電話をして、ことごとく断られた。最初はニコニコしている貸主が「児童養護施設」の事情を話すと、態度を変えてしまう。社会の理解のなさを痛感し、とても辛かった、と。
最終的には、ある賛助会員が新築物件を買い取り、施設に貸し出すという形で実現できたそうです。
また、ローンを返し終わったら施設に譲渡する、とのこと。
その職員の熱意が通じたのです。そして、その賛助会員のやさしさと勇気にも、感動しました。
このように、グループホームを開設することは、容易なことではないのです。
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1. 子どもの状態に応じた支援体制の見直し
(1) 家庭的養護の拡充
[2] 小規模グループ形態の住居による新たな養育制度の創設
[3] 施設におけるケア単位の小規模化等家庭的養護の推進
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[2]は創設、つまり新しく作るわけです。
里親と施設の中間的な存在とイメージしてください。
すでに「里親グループホーム」という形態が存在します。
里親が、5-6人の子どもをみていますが、とても手が回っていないのが実態のようです。そこを補う形として浮上してきた案です。
[3]の「施設における家庭的養護の推進」は、グループホームの設置や小舎制への移行を進めるように、ということです。
ただ、推進って言っても簡単には取り組めない現実があります。
グループホームは、一般の住宅と同様に、ひとつの家に子ども6人が生活します。
その子どもたちをみるのは、当然職員ですが、交代で働くため少なくても3人は必要です。
つまり、職員3人に子ども6人。
児童養護施設の職員配置基準は、職員1人に子ども6人。
職員を増やすことは、容易ではありません。
しかも、交代なので職員一人で対応しなくてはいけない場面が多々あります。一人がトラブルを起こして職員が対応する間、残りの5人は放っておかれる、もしくはピンチヒッターの職員を手配しなければならないわけです。
また、調理洗濯なども、一手に担うため、子どもと向き合う時間が確保されにくい状況です。
それから、そもそも住宅の確保が困難です。
グループホーム開設に関わったある施設職員から聞いた話です。
物件30軒以上に電話をして、ことごとく断られた。最初はニコニコしている貸主が「児童養護施設」の事情を話すと、態度を変えてしまう。社会の理解のなさを痛感し、とても辛かった、と。
最終的には、ある賛助会員が新築物件を買い取り、施設に貸し出すという形で実現できたそうです。
また、ローンを返し終わったら施設に譲渡する、とのこと。
その職員の熱意が通じたのです。そして、その賛助会員のやさしさと勇気にも、感動しました。
このように、グループホームを開設することは、容易なことではないのです。