2007年09月24日

光市母子殺害事件

20日、山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審公判があった。

その中で、被害者の母親が、「恵まれない環境に育ったなら、人を殺しても許されるのですか?」と発言しているのを聞いた時、私が支援している児童養護施設の子ども達を思った。

現在、「恵まれない環境」と言える、家庭の事情で施設に入っている子ども達は、全国に3万人もいる。
ただ全員が生まれてから高校を卒業するまで施設にいるわけではなく、ある施設の統計では入所期間平均4年で出たり入ったりする訳だから、単純に計算すれば、4倍以上になる。

そんな子ども達が、家庭環境を理由に犯罪を犯すなら、とんでもない社会になってしまう。家庭環境を、言い訳にしてはならない。


とはいえ、十分にケアされないまま育つ子ども達が成人してから問題を起こすことが多い事実も、やはり無視できない。
子どもの時に、大切にされなかった人、自分の存在を無条件に受け入れてもらえた経験のない人が、弱い心を持っていても、なんら不思議はない。

施設にいる子ども達は、親から見放され(または虐待され)、18歳で施設から放り出され、家族からも社会からも十分に支えられないまま、社会で生きていかなければならない。
施設出身者の中には、悪徳商法や新興宗教のターゲットになったり、自ら死を選んだり、時に反社会行動に走ったりしてしまうことも少なくない。

ある施設関係者が、「施設出身の子ども達にとって、暴力団はある意味、居心地がよい。その位、自分の居場所がある、ということは重要。」と言っていたのを思い出す。


被害者の夫、木村さんをみていて、愛する人を思う強さに感動すると同時に、そういう強い愛情を誰からも受けらることなく育った人たちを思うと、胸が痛い。
自分を大切と思ってくれている人がいるなら、その人を裏切りたくない、悲しませたくない、という気持ちが一つの犯罪抑止力となるのではないかと思った。

at 08:12|PermalinkComments(0)子育てと家族 
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