2016年02月26日

国に期待する、新しい退所後支援制度

今朝のNHK「おはよう日本」で、児童養護施設のことがニュースになりました。取り上げていただいたNHKさま、ありがとうございました!
長きにわたり対応してきたゆってぃ、おつかれさまでした! 取材に協力してくれた退所者とその出身施設のみなさま、ありがとうございました。

さて、その中で、児童養護施設で暮らせる期間を22歳まで延長する方向で厚労省が検討を始めるという話。
児童福祉法の年齢を20歳まで引き上げるという議論にも重なりますが、根本的な問題解決になるのかな~という疑問を持ちました。

理由は、3つあります。

1つ目はニュースでも指摘されていたように、施設の受け入れキャパが十分ではないから。
虐待で保護が必要な子どもたちは増加している中、退去期限が延びればさらに枠を減らすことになってしまいます。

2つ目は、就職先や進学先が施設から通える場所とは限らないから。
交通の便が悪い場所にある施設は多く、そこから通うことを前提とすれば、ますます選択肢は狭まってしまいます。

3つ目は、施設の生活が延びること=自立ができる、とは言えないから。
親元にいて自立に迫られないため働かない若者がいるのを考えれば「自立を迫られる環境」というのは、マイナスの側面だけではありません。

一方で、ニュースでもちらっと紹介された退所後の生活資金の実質給付(児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業)は、とても良いと思っています。

これは、
-就職者であれば2年間の家賃相当額、
-進学者であれば正規修学期間の家賃相当額と生活費月5万円

5年間の就業で、返済が免除になる、というものです。

各施設の事情やそれぞれの進路選択で、制約を受けることはなく、誰でも公平に使えるものです。
この制度を活用すれば、経済面での自立のハードルは大きく下がります。

貸付&一定条件を満たせば返済免除、という形にしているのも、自立に向けたモチベーションを保ちやすくなります。
(「5年の継続就業」という条件が適当かどうかは、別にして)

今後の制度に期待したいのは、絶対に起こりうる「上手くいかなかった時」の対策です。

例えば、仕事を辞めてしまった時。
体調を崩して、働けなくなってしまった時。
ギャンブルにはまって、借金を抱えてしまった時。
人間関係が上手く行かず、メンタルが落ち込んでしまった時。

上手く行かなかった時、やり直しができる仕組みが必要です。

措置が切れても、何歳になっていても、戻れる場所があるというのは、大きな安心感につながります。
お金の心配なくご飯が食べられ、寒さに凍えることなく寝られ、必要な医療が受けられ、就労支援が受けられれば、
もう一度がんばってみよう、という意欲もわいてくるのではないかと思います。

失敗してもいい前提でもう一度やり直しが利く、一人ひとり全くことなる事情に柔軟に対応できる仕組みを、作ってほしいです。



drecom_bridge4smile at 11:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)児童養護 | 自立支援
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